『やばい』くらいに『厄介』な

カイバレの恋の始まり、です。
今回は比較的、表にある小説と傾向が似てる感じかと。
なんていうか、裏のSSS書いた後だと、すごくこれが初々しく感じます（笑）

【『やばい』くらいに『厄介』な】

バレットさんのことをじーっと見つめていて、ふと、気付いた。

「やばいなぁ…」

気付いた瞬間は、あぁ、そうなのか…と、あっさり受け入れたのだけれど。
じわじわと後から、『やばい』という思いが湧いてきて。

どうやら、僕はバレットさんが好きらしい。
『やばい』くらいに。


「…人の顔を見ながら『やばい』とは、どういう了見だ？返答次第じゃ容赦しねぇぞ」
「えっ、あ、いやその、これはですね、『やっぱりバレットさんはいい男だなあ』、の略…です！！」


………いや、うん、自分でも苦しい、苦しすぎる言い訳だと思う。
バレットさんも、かなり呆れた顔をしてるし…

でも…顔も、声も、視線も、表情も、なにもかも、本当に…『やばい』くらいに好きなんだよなぁ…。

＊＊＊＊＊

カイルがオレを見据える視線、…実は、結構好きだったりする。（なのに、コイツは人の顔を見て『やばい』とか言いやがった）

つーか、その略し方でいくと…

「…じゃあ、お前は『厄介』じゃねーか」
「ええ？」
「『やっぱりカイルはいい男』、略して『厄介』」
「ひどいですよ…」
「お前だってさっき人に向かって『やばい』とか言っただろ」
「あれは別にバレットさんに言ったわけじゃないです」
「…オレも別に、」

…言いかけて思う。
『厄介』。
誰が？何が？
……………………。

「………いや、やっぱり、お前は『厄介』だと思うぜ」
「えー…それって、そのままの意味ですか？それとも、いい男って意味ですか？」
「…勿論、前者だ」
「むぅ…本当にひどい…」


気付いてしまったら、これほど『厄介』な物はない。
…そんな『厄介』な、好きだという感情が芽生える原因になったコイツ自身が…

一番、『厄介』だ。

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お互いに、無意識下で意識はしていたんだけれども、『好き』と意識し始めたのはここから…という内容でした。

冒頭の「やばいなぁ…」というセリフがまず思い浮かんで、そこから広げていったらこんな感じになりました。
最初は、カイルさん視点だけだったんですが、バレットさんがカイルさんを『厄介』と思った理由を入れるために、後半はバレットさん視点に。

カイルさんにとっては、バレットさんを好きで好きでたまらない気持ち自体が『やばい』もので。
バレットさんにとっては、カイルさんのことをすごく好きだと思ってしまって、そう思わせるカイルさん自体が『厄介』なもので。

いつも思うことですが、うちのバレットさんは、内面はカイルさん以上に情熱的なんじゃないかと思います。